アイマスクは、目元を覆うことで光を遮断する睡眠補助グッズです。寝室のカーテンの隙間から入る光、旅行先や出張先での照明、パートナーの読書灯など、睡眠環境を完全に暗くできない状況で活用されています。素材はシルク・コットン・低反発ウレタンなど多様で、形状もゴムバンド式、3D立体型、耳栓一体型など選択肢が広がっています。単なる遮光アイテムとしてだけでなく、寝つきや睡眠リズムを整えるための環境調整ツールの一つとして位置づけられています。
「照明を落としても外の明かりが気になって寝つきにくい」「出張やホテル泊で寝室環境が変わると眠りが浅くなる」「同室のパートナーの生活リズムが違い、光の刺激で目が覚めてしまう」といった悩みを持つ方に向けた情報です。また、入院や療養中など、周囲の照明環境を自分でコントロールしにくい状況にある方にとっても、光を遮る手段としてアイマスクが選択肢に挙がります。
光と睡眠の関係については、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部が、朝の太陽光などの光刺激が体内時計を調整する役割を持ち、光の遮断が体内時計や睡眠リズムに影響することを説明しています([NCNP 睡眠・覚醒障害研究部](https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/sleep-medicine/crswd/index.html))。人の体内時計は光の刺激によってリセットされる性質があり、就寝時間帯にどれだけ光を遮断できるかは睡眠環境を整える上での要素の一つとされています。
アイマスクの使用効果に関しては、海外の臨床研究がいくつか報告されています。PMC(米国国立衛生研究所)に掲載された心臓病患者60名を対象としたランダム化比較試験(RCT)では、アイマスクを使用した群でPSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)の得点が中央値10から3へと改善し、睡眠の質に有意な向上が見られたと報告されています([PMC: Effect of Using Eye Mask on Sleep Quality in Cardiac Patients](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4733498/))。
また、入院患者20名を対象とした別の研究では、耳栓とアイマスクを併用した後、夜間の覚醒や中途覚醒、入眠困難などの項目が有意に軽減したことが報告されています([PMC: Impact of Earplugs and Eye Masks on Sleep Quality in Hospital Patients](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10756640/))。いずれも限られた人数・特定の患者群を対象とした研究であり、健常な成人全般に同様の結果が当てはまるかどうかは別途検討が必要な点には留意が必要です。
アイマスクを選ぶ際は、以下のような観点を確認するとよいでしょう。
価格帯は数百円のシンプルなものから、立体構造・高機能素材を使った数千円のものまで幅があります。用途(自宅用・旅行用・仮眠用など)に応じて選ぶ基準を変えるとよいでしょう。
肌が敏感な方は、素材によって摩擦や蒸れによる肌トラブルが起きる場合があるため、コットンやシルクなど低刺激とされる素材を選ぶなど、自分の肌質に合ったものを確認してから使用することが望ましいです。ゴムバンドがきつすぎるものは頭痛や圧迫感の原因になることもあるため、サイズ調整機能の有無も確認しておくとよいでしょう。また、アイマスクはあくまで光を遮断する環境調整グッズであり、睡眠に関する症状や体調の変化がある場合は、自己判断で対応せず医師など専門家にご相談ください。
アイマスクは、光を遮断することで睡眠環境を整えるための身近なアイテムです。体内時計が光の刺激によって調整される仕組みが公的機関からも説明されており、限定的な条件下での臨床研究ではアイマスク使用による睡眠の質の改善が報告されています。選ぶ際は遮光性・素材・フィット感・お手入れのしやすさなどを比較し、自分の肌質や使用シーンに合ったものを選ぶことがポイントです。体調や睡眠に関する不安がある場合は、医師など専門家に相談することをおすすめします。