「魚を食べる機会が少ないから、DHA・EPAのサプリで補いたい」「心臓や血管のために飲み続けているけど、本当に効いているのかな」。ドラッグストアやネット通販で手軽に買えるようになったDHA・EPAサプリ。健康意識が高まる中、毎日欠かさず飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
しかし、その効果について正確な情報を持っている方は意外と少ないかもしれません。流行に乗って飲み始めたはいいけれど、「何がどこまで期待できるのか」「飲み続けて本当によいのか」——この記事では、厚生労働省の公式情報のみをもとに、DHA・EPAサプリについて正しく理解するための情報をお届けします。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、いずれも「オメガ3系脂肪酸」に分類される不飽和脂肪酸の一種です。主にサバ・イワシ・サーモンなどの青魚に多く含まれており、体内ではほとんど合成できないことから食事からの摂取が重要とされています。近年はカプセルや錠剤タイプのサプリメントとして広く流通しており、食事からの摂取が不足しがちな現代人の間で利用が広まっています。
DHA・EPAサプリにはさまざまな健康効果がうたわれていますが、厚生労働省の公式情報(eJIM)を参照すると、その実態はやや慎重に受け止める必要があります。
まず最も重要な点として、EPAやDHAのサプリメントが心疾患を予防することは証明されておらず、効果があるかどうかは不明とされています(出典: 厚労省eJIM)。「青魚を食べると心臓に良い」という認識から、DHA・EPAサプリにも同様の効果を期待する方が多いですが、サプリメントの形で摂取した場合に食事と同じ効果が得られるかどうかは、現時点では科学的に明確にされていません。
テレビCMや商品パッケージで目にする「心臓・血管のために」という表現を鵜呑みにせず、過度な期待は禁物です。
一方で、高用量の摂取については中性脂肪値を低下させる可能性があると示されています(出典: 厚労省eJIM)。中性脂肪(トリグリセリド)とは血中に蓄積される脂肪の一種で、高値が続くと動脈硬化のリスクに関係するとされています。
ただし重要なのは「高用量」という条件がついている点です。一般的な市販サプリの推奨摂取量で同等の効果が期待できるかどうかは別の話であり、自己判断での大量摂取は避けるべきです。
血液をサラサラにする薬(ワルファリンなどの血液凝固薬)を服用している方は、DHA・EPAサプリとの併用について必ず医師に相談することが必須とされています(出典: 厚労省eJIM)。オメガ3系脂肪酸には血液凝固を抑える作用があるとされており、薬との相互作用によって出血リスクが高まる可能性があるためです。持病のある方や複数の薬を飲んでいる方は、「食品だから安全」と過信せず、必ず医療機関に相談の上で利用を判断してください。
DHA・EPAサプリを選ぶ際には、以下の3点を参考にしてください。なお、ここでは特定の商品を推薦するものではなく、あくまで一般的な選び方の指針です。
① DHA・EPAの含有量が具体的に明記されているか パッケージに「DHA〇〇mg・EPA〇〇mg配合」と数値で記載されている製品を選びましょう。「オメガ3配合」とだけ表記されているものは、実際の含有量が不明なことがあります。 ② 製造品質の情報が公開されているか 魚油の産地や精製方法、品質管理の情報を公開しているブランドを選ぶと安心です。GMP認定工場(医薬品と同等の品質管理基準のもとで製造されていることを示す認定)での製造であることも一つの目安になります。 ③ 添加物・カプセル素材を確認する アレルギー体質の方や添加物が気になる方は、不要な成分が少ない製品や植物性カプセルを採用したものを選ぶと良いでしょう。魚油特有の生臭さが気になる場合は、腸で溶ける「腸溶性カプセル」タイプも選択肢のひとつです。DHA・EPAサプリは「体に良さそう」というイメージが先行しがちですが、厚生労働省の情報によれば、心疾患予防の効果は現時点では証明されておらず、効果があるかどうかは不明とされています。高用量摂取による中性脂肪値低下の可能性は示されていますが、薬との相互作用には十分な注意が必要です。サプリに頼りすぎず、食事を基本としながら、公的機関の正しい情報をもとにかしこく活用することが、健康づくりの第一歩です。